
完成→書き出し:YouTube・Instagram・TikTokの推奨設定
これまでの記事で、編集の各工程について取り上げてきました。
編集が完成したら、最後は「編集完成!どうやって公開するの?」という疑問に答える番です。
今回は、YouTube・Instagram・TikTokそれぞれが案内している推奨設定をもとに、書き出しの基本を解説します。
はじめにお断りしておきますが、各プラットフォームの仕様は変更されることがあります。
この記事の情報は執筆時点(2026年9月)で確認できた内容です。
書き出し形式:MP4が基本
YouTubeが推奨するコンテナ形式は、MP4です。
動画コーデックはH.264(プログレッシブスキャン、ハイプロファイル)、音声コーデックはAAC-LCなど、サンプルレート48kHzが基本とされています。
Instagram・TikTokも、基本的にMP4形式(TikTokはMOVにも対応、Instagramは音声にAACを使用)に対応しています。
フレームレート:内容に応じて30fpsと60fpsを使い分ける
YouTubeの公式案内では、撮影時と同じフレームレートで書き出すことが推奨されています。
一般的には24、25、30、48、50、60fpsのいずれかが使われます。
Instagramについては、公式のクリエイター向け情報で、画質を最適化するために60fpsでの書き出しが推奨されており、対応する場合はHDRでの書き出しも案内されています。
一方で、30fpsもフィード投稿や通常のリールなど、幅広い場面で使われる標準的な設定として紹介されています。
TikTokでは、日常風景・トーク動画・Vlogなど、動きの少ない内容には30fps(または24・25fps)が向いているとされています。
ファイルサイズが軽く済み、一般的なスマートフォンでの撮影・編集でも安定しやすいためです。
一方、ゲーム実況やダンス、スポーツ、乗り物など、動きの激しい内容には60fpsが向いているとされています。
画面がなめらかに表示される一方、ファイル容量は大きくなる点には注意が必要です。
これは、以前の記事で紹介した「映画は24fps、スポーツなど動きの速い撮影は120fps」というジャンル別の考え方と同じ発想です。
撮影時に選んだフレームレートを、書き出しの際にもそのまま引き継ぐことを基本にしましょう。
撮影時と異なるフレームレートで書き出すと、動きがカクついたり、不自然に見えたりすることがあります。
ビットレートの目安
ビットレートとは、動画データを1秒あたりどれくらいの情報量で記録するかを表す数値です。
YouTubeの公式案内では、標準フレームレート(SDR)の場合、次のような目安が示されています。
| 解像度 | ビットレートの目安 |
|---|---|
| 4K(2160p) | 35〜45Mbps |
| 1080p | 8Mbps |
| 720p | 5Mbps |
| 音声(ステレオ) | 384kbps |
TikTokについては、8〜15Mbps程度が目安として紹介されています。
30fpsの日常的な内容であれば範囲の低め、60fpsの動きの激しい内容であれば範囲の高めを目安にするとよいでしょう。
Instagramについては、具体的なビットレート数値の公式案内は確認できませんでした。
迷った場合は、YouTubeやTikTokの目安を参考にするか、Instagramの公式クリエイター向け資料を確認することをおすすめします。
解像度・アスペクト比:横型と縦型の違いに注意
YouTubeは、標準のアスペクト比を16:9(横型)としています。
以前ご紹介したカメラの多くは4K撮影に対応していますが、書き出しの解像度は1080pが実用的な目安です。
Instagramの公式クリエイター向け情報では、より高い画質を目指す場合、2K解像度・60fps・(対応デバイスであれば)HDRでの書き出しが推奨されています。
一方で、より広く紹介されている目安としては、1080×1920px(9:16の縦長)という解像度もよく使われています。
TikTokも同様に、9:16(縦型)、解像度1080×1920px、ファイル形式はMP4またはMOVが目安です。
横型で撮影した映像をそのまま縦型プラットフォームに投稿すると、画面の左右に黒帯ができてしまったり、被写体が小さく写ってしまったりします。
どのプラットフォームに投稿するかによって、撮影時から縦型・横型を意識しておくことが望ましいでしょう。
長さ・ファイル容量の目安
プラットフォームによって、投稿できる長さやファイル容量にも違いがあります。
| プラットフォーム | アスペクト比 | 長さの目安 | ファイル容量の目安 |
|---|---|---|---|
| YouTube | 16:9(横型) | 制限は緩やか | ビットレートに応じて変動 |
| Instagramリール | 9:16(縦型) | 最大3分程度 | 最大4GB程度 |
| TikTok | 9:16(縦型) | 端末によって異なる | 端末によって異なる(詳細は要確認) |
TikTokのファイル容量は、投稿する端末(iOS・Android)によって上限が異なるという情報もあり、詳細は投稿時にアプリ内の案内を確認することをおすすめします。
ファイルサイズの目安
ファイルサイズは、動画の長さとビットレートによって決まります。
目安として、1080p・8Mbpsで書き出した場合、映像だけでおおよそ1分あたり60MB程度になる計算です。
3分程度の動画であれば、音声を含めておおよそ200MB前後が目安になります。
これはあくまで計算上の目安であり、実際のファイルサイズは、映像の内容(動きの多さなど)によって変動します。
お店紹介動画の例で考えると
これまでの記事で例に挙げている、飲食店の3分程度のお店紹介動画で考えてみます。
店内紹介やスタッフのコメントなど、動きの少ない内容が中心のため、TikTokに展開する場合も30fpsを基準にすると、ファイルサイズを抑えられます。
YouTubeに投稿するのであれば、30fpsで撮影した素材をそのまま30fpsで書き出し、形式はMP4(H.264)、解像度は1080p、ビットレートは8Mbps前後を基準にします。
同じ内容をInstagramリールやTikTok向けにも展開したい場合は、撮影段階から縦型(9:16)のカットも意識して撮っておくと、書き出しの際に作り直す手間を減らせます。
まとめ
書き出しはMP4形式(H.264)を基本とし、フレームレートは撮影時の設定を基本にします。
日常的な内容は30fps、動きの激しい内容は60fpsが向いているという考え方は、YouTube・TikTokに共通しています。
ビットレートは、YouTubeで1080p 8Mbps、TikTokで8〜15Mbps程度が目安です。
YouTubeは横型(16:9)、Instagram・TikTokは縦型(9:16)が基本のため、投稿するプラットフォームに応じて、撮影段階からアスペクト比やフレームレートを意識しておくとよいでしょう。