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営業職が知っておくべきコンプライアンスと法令遵守
9月 18, 2026 ・ 営業サポート
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営業職が知っておくべきコンプライアンスと法令遵守

なぜ営業職にコンプライアンスの知識が必要なのか

営業は、会社の中でも顧客と直接接する機会が最も多い立場です。
そのため、営業担当者の発言や行動における法令違反は、そのまま会社の信用問題や行政処分に直結します。
「知らなかった」では済まされないケースも多いため、営業に関わる代表的な法律の要点を押さえておくことが必要です。

訪問販売・電話勧誘販売のルール(特定商取引法)

飛び込み営業や電話営業を行う場合、消費者庁が所管する特定商取引法のルールを守る必要があります。

氏名等の明示義務

訪問販売・電話勧誘販売では、勧誘に先立って、事業者名(会社名)、勧誘を行う者の氏名、商品・サービスの種類、勧誘が目的であることを、相手に伝えなければならないと定められています。
名乗らずに商品説明から入ってしまうことは、この明示義務に反する可能性があります。

再勧誘の禁止

相手が契約しない意思をはっきり示したにもかかわらず、その場や後日改めて勧誘を続けることは、特定商取引法で禁止されています。
「今は結構です」と言われた後にしつこく食い下がる、日を改めて再度電話をかけ直すといった対応は、この規制に触れるおそれがあります。

クーリングオフ

訪問販売・電話勧誘販売で契約した場合、消費者は法律で定められた書面を受け取った日から8日以内であれば、契約を無条件で解除(クーリングオフ)できます。
営業担当者がこの制度を無視した説明をしたり、解除を妨げるような対応をしたりすることは認められません。

商品・サービスの説明で気をつけること(景品表示法)

営業トークや提案資料での表現にも、景品表示法という規制がかかります。

優良誤認表示

実際の商品・サービスよりも著しく優れていると誤解させる表示は「優良誤認表示」として禁止されています。
消費者庁のガイドブックでは、実際には外国産の原材料を使っているのに「国産素材100%」と表示するような例が挙げられています。

有利誤認表示

価格や取引条件について、実際より著しく有利だと誤解させる表示は「有利誤認表示」として禁止されています。
常にその価格で販売しているのに「今だけ半額」と説明する、実際の提供人数より多い人数分の特典があるかのように説明する、といったケースが該当します。

広告や営業トークにある程度の誇張が含まれること自体は直ちに問題にはなりませんが、消費者庁は、一般的に許容される誇張の限度を超えて優良・有利だと誤認させる場合に違反となるという考え方を示しています。
「話を盛りすぎていないか」を都度振り返る姿勢が欠かせません。

顧客情報の取り扱い(個人情報保護法)

営業活動では、名刺交換や商談を通じて、日常的に顧客の個人情報を取得します。

かつては、保有する個人情報が5,000件以下の小規模な事業者は個人情報保護法の適用が除外されていましたが、2017年の法改正でこの除外規定は撤廃されました。
現在は、事業規模や個人情報の保有件数にかかわらず、法人・個人事業主を問わずほぼすべての事業者が個人情報保護法の対象になっています。
「うちは小さい会社だから関係ない」という認識は、現在では誤りにあたります。

名刺に記載された氏名や連絡先も個人情報にあたるため、無断で第三者に渡したり、本来の目的以外の用途(無関係な営業リストへの流用など)に使ったりすることは、個人情報保護法上の問題になり得ます。
取得した名刺・顧客情報は、自社の管理ルールに沿って適切に保管・利用することが求められます。

法人取引における注意点(下請法・独占禁止法)

以前の記事(「営業とは?営業の定義と役割を初心者向けに解説」)で触れた法人営業(BtoB)では、自社が取引先に対して優位な立場になる場面もあり、そこには別の注意点があります。

独占禁止法では、取引上優位な地位にある事業者が、その地位を利用して取引相手に不当な不利益を与える行為を「優越的地位の濫用」として規制しています。
資本金の額などの要件にあてはまる下請取引については、より具体的なルールを定めた下請法が適用され、代金の支払期日を发注から60日以内とすることや、代金の減額・返品・不当なやり直しの要求などを禁止事項として定めています。

自社が取引先より規模の大きい立場にある場合、価格交渉や発注内容の変更を行う際に、こうした規制に触れていないかを意識する必要があります。

日々の営業活動でできること

ここまで見てきた法律は、いずれも個々の営業担当者の判断だけで完璧に対応するのが難しい内容も含んでいます。
そのため、次のような姿勢を持っておくことが実務上は重要です。

会社が用意しているトークスクリプトや広告表現、契約書のひな形は、法務担当者や顧問弁護士のチェックを経たものである前提で使い、自己流にアレンジして表現を強めることは避けます。
口頭でのちょっとした約束や言い回しも、後々「言った・言わない」のトラブルや、表示規制上の問題に発展することがあるため、資料に書かれていないことをその場の判断で断定的に話さないようにします。
判断に迷う場面に出会ったら、自己判断で進めず、必ず上司や法務担当に確認することが、結果的に自分自身と会社を守ることにつながります。
なお、SNSでの個人的な発信が思わぬ法令違反や情報漏洩につながるケースについては、今後の記事で別途取り上げます。

まとめ

営業職には、特定商取引法(訪問販売・電話勧誘販売のルール)、景品表示法(優良誤認・有利誤認表示の禁止)、個人情報保護法(顧客情報の取り扱い)、独占禁止法・下請法(法人取引での優越的地位の濫用)など、日常の営業活動に直結する法律が数多く関わっています。
細部まで完璧に覚える必要はありませんが、どんな場面にどんな規制があり得るかという大枠を知っておくことが、トラブルを未然に防ぐ第一歩になります。


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