
AI検索時代でもSEOは必要?従来対策との関係を整理して解説
前回の記事(「LLMO(AI検索対策)とは?SEOとの違いをわかりやすく解説」)では、Googleが「AIによる概要への特別な最適化は不要」としていることを解説しました。
この記事では、その先にある疑問「AI検索が広まっても、そもそもSEOへの投資は意味があるのか」について、トラフィックへの影響をめぐる議論を中心に整理します。
「AI検索でアクセスが減る」という懸念
AI OverviewやAIモードのように、検索結果の中でAIが直接答えを示してくれる機能が広まると、ユーザーがわざわざリンク先のサイトをクリックしなくても、疑問が解決してしまう場面が増えます。
実際に、AI Overviewが表示された検索結果では、通常の検索結果と比べてクリック率が下がるという調査結果が、複数の第三者機関から報告されています。
ただし、これらの調査は、対象範囲や算出方法が調査ごとに異なり、下落幅の数値にも大きなばらつきがあるため、この記事では具体的な下落率の数値までは断定しません。
Googleの公式見解:「クリック総量は安定している」
こうした懸念に対して、Google検索担当の幹部は、公式に反論を行っています。
その説明によると、「Google検索からウェブサイトへのオーガニッククリック総量は、前年同期比で比較的安定している」とされ、むしろ平均的なクリックの質は、1年前よりもわずかに向上しているとも説明されています。
ここでいう「質の高いクリック」とは、クリックしたユーザーがすぐに検索結果に戻らない、つまりページの内容にきちんと関心を持ってくれたクリックを指すとされています。
また、トラフィック減少を訴える第三者調査については、「方法論に欠陥がある」「個別の事例に基づくものだ」といった指摘がなされています。
一方で、Google全体では数十億件という検索クエリを対象にした話であり、個別のサイト単位で見れば、実際にアクセスが減っているケースがあることも、Google側は否定していません。
つまり、全体としての傾向と、個々のサイトに起きていることは、必ずしも一致しないという点を踏まえておく必要があります。
なぜSEOへの取り組みは今も必要なのか
AI検索によって、検索結果の見え方や、ユーザーがクリックするまでの導線は変化しています。
しかし、前回の記事で解説したとおり、AIによる概要の情報源は、通常の検索結果と同じ検索ランキングシステムによって選ばれています。
つまり、そもそも通常の検索結果で評価されないページは、AIによる概要にも情報源として採用されにくいという関係にあります。
AI検索の時代においても、検索結果(あるいはAIの回答)に採用されるための土台としてのSEOの重要性は、なくなっていないと考えられます。
むしろ、AIの回答にどのページが情報源として採用されるかという観点では、Googleが検索品質評価ガイドライン(Search Quality Rater Guidelines)で重視している「E-E-A-T」(経験・専門性・権威性・信頼性)という考え方が、これまで以上に問われるようになる可能性があります。
Google公式のこのガイドラインでは、E-E-A-Tの4つの要素の中でも、「信頼性(Trust)」が最も重要な要素として位置づけられています。
経験や専門知識があっても、発信元として信頼できない情報は評価されない、という考え方です。
おわりに
AI検索によってアクセスの形が変化しているのは事実ですが、Google自身は「クリック総量は安定している」との立場を示しており、SEOそのものが不要になったとは言えません。
むしろ、AIによる概要の情報源が通常の検索結果と同じ仕組みで選ばれている以上、経験・専門性・権威性・信頼性(E-E-A-T)を意識した、質の高いコンテンツ作りの重要性は、AI検索時代でも変わらない、あるいはより重要になっていくと考えられます。
ここまで2回にわたり、LLMOとAI検索時代のSEOについて解説してきました。
次の記事からは、SEOの効果を数字で確認するための、アクセス解析の基礎知識に進みます。
参考にした情報
- 「AI検索でGoogleからのトラフィックが減っている」←Googleが反論(鈴木謙一氏) https://www.suzukikenichi.com/blog/google-counters-publishers-concerns-about-search-traffic-loss/
- Google Search Quality Rater Guidelines(Google公式PDF) https://static.googleusercontent.com/media/guidelines.raterhub.com/en//searchqualityevaluatorguidelines.pdf