
テロップ・字幕の入れ方:見やすいテロップとは
前回の記事では、カットのつなぎ方とトランジションについて取り上げました。
今回は、「映像にテロップって必要?」という疑問に答えるべく、見やすいテロップの作り方を解説します。
テロップを入れる効果
映像を見る上で、音声は大切な要素です。
しかし、実は音声をオフにしたまま動画を見る視聴者は少なくありません。
テロップを入れておくことで、音声が聞こえなくても内容が伝わりやすくなります。
また、伝えたい部分を強調したり、動画全体の印象を演出したりする効果もあります。
ただし、テロップを入れれば自動的にクオリティが上がるわけではありません。
読みにくいテロップは、かえって視聴の妨げになってしまいます。
見やすいテロップの基本:ゴシック体・コントラスト
迷ったときの基本として、読みやすさを優先したゴシック体(線の太さが均一なフォント)と、背景とのコントラストがはっきりした配色(白い文字に黒っぽい縁取りや影をつけるなど)は、幅広い場面で無難に使える組み合わせです。
背景と同系色の文字にしてしまうと、映像によっては文字が背景に溶け込んで読みにくくなるため、注意が必要です。
ただし、これはあくまで「迷ったときの基本形」であり、常に正解というわけではありません。
テロップのスタイルは、映像のジャンルによって変える
テロップのフォント・色・エフェクトの有無は、本来、作る映像のジャンルや、伝えたい雰囲気・ブランディングに合わせて選ぶべきものです。
- バラエティ的な映像:ポップで色付きのフォントや、動きのある演出(文字が跳ねる、強調線が入るなど)が、賑やかで楽しい雰囲気と相性が良いとされています
- ドキュメンタリー的な映像:装飾を抑えたシンプルなゴシック体で、テロップ自体が目立ちすぎないようにすることが多いです。内容の説得力や、素材そのものの雰囲気を邪魔しないことが優先されます
- 教育・解説向けの映像:とにかく読みやすさが最優先されるため、シンプルなゴシック体と高いコントラストが基本になります
- プロモーション・ブランディングを意識した映像:フォントや色を、ブランドのイメージカラーやロゴのフォントに合わせることもあります。落ち着いた高級感を出したい場合は、あえて明朝体(線に強弱のあるフォント)を使うという選択肢もあります
「読みやすいから」という理由だけでゴシック体・白文字・縁取りを機械的に選ぶのではなく、その映像で何を伝えたいか、どんな印象を持ってもらいたいかを踏まえて、テロップのスタイルを決めることが大切です。
文字起こしの範囲も判断が必要
もう1つ、重要な判断があります。
話している内容をすべて文字起こししてテロップにするのか、要点だけを選んでテロップにするのか、という判断です。
例えば、Youtubeの映像などでは、全ての発言をテロップ化するクリエイターもいれば、全くテロップを入れないクリエイターもいます。
そこには、「わかりやすくしたい」「子供や年配の方にも楽しんでほしい」「絵力だけで勝負したい」「コスト削減」「スピード感の維持」など、色々な理由で、クリエイターが各々の編集ルールを決めているはずです。
また、バラエティ的な映像では、発言のほぼすべてをテロップ化し、笑いどころなどを強調する演出も加える手法がよく使われます。
一方、ドキュメンタリーやプロモーション映像などでは、すべてを文字にせず、本当に伝えたい要点だけを選んでテロップにすることで、映像そのものの雰囲気を保ちやすくなります。
どちらが正解ということはなく、これも映像のジャンルや、伝えたい雰囲気に応じて選ぶべき判断です。
見やすいテロップの条件:配置とサイズ
テロップの配置は、画面下側3分の1あたりに置くことが多いとされています。
被写体の顔や、伝えたい映像の中心部分にかぶらない位置を選びましょう。
また、画面の端ギリギリに配置すると、視聴する機器やアプリによっては見切れてしまうことがあるため、端には余白を残しておくと安心です。
多くの編集ソフトには、この「見切れ」を防ぐためのガイド線(セーフエリア表示)機能が用意されています。
配置に迷ったり、目測で余白を判断したりするより、こうしたガイド機能を表示させながら配置する方が、見切れのミスを減らせます。
お使いの編集ソフトに、この機能が無いか一度確認してみることをおすすめします。
サイズについては、スマートフォンの小さい画面で見られることを前提に、小さすぎない文字サイズを意識しておくとよいでしょう。
テロップの表示時間の目安
テロップは、視聴者が無理なく読み切れる時間、表示しておく必要があります。
表示時間が短すぎると、読み終わる前に次のカットに切り替わってしまい、内容が伝わりません。
文字量や表示時間の感覚は個人差もあるため、実際に自分で再生してみて、無理なく読み切れるかどうかを確認する習慣をつけるとよいでしょう。
お店紹介動画の例で考えると
これまでの記事で例に挙げている、飲食店の3分程度のお店紹介動画で考えてみます。
この動画はプロモーションに近い性質を持つため、装飾を抑えた読みやすいゴシック体を基本にしつつ、お店のイメージカラーがあれば、テロップの色に軽く取り入れるのもよいでしょう。
スタッフのコメントは、話している内容すべてをテロップ化するのではなく、伝えたい要点だけを選んでテロップにすると、映像の雰囲気を保ちやすくなります。
配置は編集ソフトのガイド機能を表示させながら決め、画面下側3分の1を目安に、端には余白を残しましょう。
まとめ
テロップのフォント・色・演出は、読みやすさの基本(ゴシック体・コントラスト)を押さえつつ、最終的には映像のジャンルや伝えたい雰囲気に合わせて選ぶことが大切です。
すべてを文字起こしするか、要点だけをテロップ化するかも、同様に映像の意図に応じて判断しましょう。
配置は編集ソフトのガイド機能を活用すると、見切れのミスを防ぎやすくなります。