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ソニー α7 IVとα7 Vの違い:前の世代と最新世代、映像制作ではどちらを選ぶか
10月 12, 2026 ・ 映像制作
VIDEO KNOWLEDGE

ソニー α7 IVとα7 Vの違い:前の世代と最新世代、映像制作ではどちらを選ぶか

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α7 Vの登場で、長くスタンダード機の定番だったα7 IVは「前の世代」になりました。
ただ、カメラは世代が新しければ必ず買い替えるべき、というものではありません。
この記事では、ソニー公式サイトの主な仕様をもとに、2機種で変わらないところと変わったところを映像制作の視点で整理し、α7 IVで十分なケースとα7 Vを選ぶべきケースを具体的に考えます。
現行4機種の全体的な比較は、以前の記事(「ソニーのフルサイズミラーレス比較:α1 II・α7R VI・α7 V・α7C IIの選び方」)で扱いました。

まず押さえたい「変わっていないところ」

違いを見る前に、2機種で共通している部分を確認しておきます。
ここが同じだと分かっていれば、比べるべき項目がぐっと絞られます。

  • 画素数:どちらも静止画で約3300万画素です。画素数を理由にα7 Vを選ぶ必要はありません
  • 編集向けの高ビットレート記録:どちらも「XAVC S-I」形式の4K 60pで600Mbps、4:2:2 10bitの記録に対応しています
  • 記録メディア:どちらも1つ目のスロットがCFexpress Type AとSDカードの両対応、2つ目がSDカード専用という構成です
  • HDMI端子:どちらも標準サイズの「タイプA」で、4K 60pの4:2:2 10bit出力に対応しています
  • ISO感度:どちらも動画撮影時はISO100〜51200相当(拡張で上限ISO102400相当)です
  • ファインダー:どちらも約369万ドットの電子ビューファインダーです

つまり、「4K 30p・24pまでの撮影で、編集しやすい形式で記録する」という使い方であれば、2機種のスペック上の差は小さいということです。
差が出るのは、ここから先に挙げる項目です。

変わったところ1:4K 60pの画角と、4K 120pへの対応

映像制作で最も大きな違いは、4K 60p以上で撮るときに表れます。

α7 IVの主な仕様には、「4K 60pで動画撮影時は[APS-C S35 撮影]は[入]に固定されます」という注記があります。
これは、4K 60pで撮るときには、センサーの中央部分だけを使って記録する、という意味です。
センサーの使う範囲が狭くなる分、同じレンズでも写る範囲が狭くなり、画角は焦点距離にしておよそ1.5倍相当になります。
24mmの広角レンズで撮っても、4K 60pでは約36mm相当の画角になってしまうということです。

一方、α7 Vの主な仕様には、4K 60pでこのように固定されるという注記は見当たりません。
さらにα7 Vは、4Kのまま最大119.88pで記録できます。
α7 IVで120pを使えるのは1080pの記録に限られ、4Kでは120pを設定できないと明記されています。

焦点距離と画角の関係や、広角・望遠が映像に与える印象の違いは、以前の記事(「レンズの焦点距離と心理効果:構図への影響を完全解説」)で扱いました。

実制作でどう使うか

  • 4K 30p・24pが中心なら、この差は表れない:企業の紹介映像やインタビューのように、4K 30pや24pで撮ることが多い現場では、α7 IVでも画角が狭くなることはありません
  • 4K 60pで広く撮りたい場面では、α7 IVは不利になる:室内のイベントを動きのある60pで撮りたい、狭い部屋を広角で見せたい、といった場面では、α7 IVの画角が狭くなる点が制約になります。α7 IVで対応するなら、より広角のレンズを用意する必要があります
  • 4Kのスローモーションが必要なら、α7 Vが前提になる:商品が落ちる瞬間や、髪がなびく様子をスローで見せたい場合、α7 Vなら4Kの解像度のまま120pで撮影できます。α7 IVでは1080pでの120pになるため、4Kの映像と並べると、スローの部分だけ精細さが落ちて見えることがあります

変わったところ2:センサーの方式と、連写の「速さ」と「粘り」

2機種は、同じ約3300万画素でもセンサーの方式が異なります。
α7 IVは「Exmor R」という従来型、α7 Vは「Exmor RS」という積層型のセンサーを搭載しています。
積層型のセンサーは読み出しが速く、カメラを素早く振ったときに縦の線が斜めに映る「ローリングシャッター歪み」を抑えやすいとされています。
この仕組みについては、以前の記事(「ソニーのフルサイズミラーレス比較:α1 II・α7R VI・α7 V・α7C IIの選び方」)で詳しく扱いました。

連写の速さにも、この違いが表れています。
α7 IVの最高約10コマ/秒に対し、α7 Vは電子シャッターで最高約30コマ/秒に対応しています。

ただし、ここで見落とせないのが、連写を続けられる枚数です。
公式の仕様では、α7 IVは最高速度の連写で、RAWでも「1000枚以上」撮り続けられるとされています。
一方のα7 Vは、最高速度の連写でRAWが95枚、ロスレス圧縮のRAWでは35枚です。
1秒あたりのコマ数が3倍になった分、連写を続けられる時間は短くなっており、速さと粘りが入れ替わっている、と見ることもできます。

実制作でどう使うか

  • カメラを大きく振る撮影では、α7 Vのほうが安心できる:スポーツやイベントで被写体を追ってパンする撮影では、積層型センサーのα7 Vのほうが歪みのリスクを抑えやすいと考えられます。パンなどのカメラワークの使い分けは、以前の記事(「カメラワーク完全ガイド:パン・ティルト・ズーム・ドリーの心理的効果」)で扱いました
  • 撮影の合間に写真も撮る現場では、連写の性質の違いを知っておく:動画の撮影と並行して、記録用の写真を撮ることもあるでしょう。決定的な一瞬を狙うならα7 Vの30コマ/秒が有利ですが、長い時間シャッターを押し続けるような撮り方なら、α7 IVの粘り強さが活きる場面もあります
  • 三脚に据えた撮影が中心なら、センサーの差は小さい:インタビューのように、カメラも被写体も大きく動かない撮影では、ローリングシャッター歪みが目立つことは多くありません

変わったところ3:手ブレ補正・被写体認識・モニター

撮影中の操作や、ピント合わせの確実さに関わる部分も、世代の違いがはっきり表れるところです。

手ブレ補正:α7 IVは「5.5段」、α7 Vは「中央7.5段・周辺6.5段」と記載されています。
ただし、この数字はそのまま比べられません。
α7 IVは従来のCIPA規格で、縦と横の揺れ(ピッチ・ヨー)に対する効果を、Planar T* FE 50mm F1.4 ZAを付けて測った値です。
α7 Vは新しいCIPA2024規格で、回転方向の揺れ(ロール)も含めた効果を、FE 50mm F1.2 GMを付けて測った値です。
規格もレンズも違うため、「2段分良くなった」と単純には言えませんが、動画用の補正モードに「ダイナミックアクティブ」が加わっている点は、α7 IVにはない違いです。

被写体認識:α7 IVが動画で認識できるのは、人物・動物・鳥です。
α7 Vでは、これに昆虫・車・列車・飛行機が加わり、カメラが被写体の種類を自動で判断する「オート」も選べます。

液晶モニター:α7 IVは3.0型・約104万ドット、α7 Vは3.2型・約210万ドットです。
α7 Vは、横に開くだけでなく、上下にも角度を変えられる構造になっています。

実制作でどう使うか

  • 1人で撮るときほど、被写体認識の差が効く:ワンオペの撮影では、構図や音声に気を配りながらピントまで管理するのは大変です。車や乗り物を撮る案件など、人物以外の被写体を追う場面では、α7 Vの認識対象の広さが、ピントを任せられる安心感につながります
  • ローアングル・ハイアングルの多い現場では、モニターの構造を確認する:α7 Vのモニターは上下にも角度を変えられるため、カメラを低い位置や高い位置に構えたときに画面を確認しやすくなります。高精細になった分、ピントの細かな確認もしやすくなっています
  • 手持ち撮影の安定感は、実際に試して判断する:段数の数字は単純に比べられないため、歩きながらの撮影が多い場合は、店頭などで実際に動画モードの補正を試してみるのが確実です。補正方式ごとの違いは、以前の記事(「手ぶれ補正システム完全比較:レンズ補正 vs 内部補正 vs ジンバル」)で扱いました

変わったところ4:バッテリーの持ちと重さ

最後に、現場での運用に直結する、バッテリーと重さを比べます。

  • バッテリーの持ち(実動画撮影時、ファインダー使用時):α7 IVは約100分、α7 Vは約130分です。同じ「NP-FZ100」というバッテリーを使いながら、撮影できる時間が約3割長くなっています
  • ずっと撮り続けた場合(連続動画撮影時、ファインダー使用時):α7 IVは約170分、α7 Vは約210分です
  • 重さ(バッテリーとメモリーカードを含む):α7 IVは約658g、α7 Vは約695gです。α7 Vのほうが約37g重く、奥行きもわずかに増えています

性能が上がりながらバッテリーの持ちが伸びている点は、世代が新しくなったことの、目立たないけれど大きな恩恵です。

実制作でどう使うか

  • 長時間の収録では、予備バッテリーの数が変わる:セミナーや式典のように、数時間にわたって撮り続ける現場では、1本あたり3割長く撮れる差が、用意する予備バッテリーの本数に直結します
  • ジンバルに載せる場合は、37gの差を確認しておく:多くの場合は問題にならない差ですが、小型のジンバルで重いレンズと組み合わせる場合は、載せられる重さの上限に近づくことがあります

α7 IVで十分なケース、α7 Vを選ぶべきケース

ここまでの違いをもとに、どちらを選ぶべきかを撮影の内容ごとに整理します。

α7 IVで十分と考えられるケース:4K 30pや24pでの撮影が中心で、三脚に据えたインタビューや、商品・店舗の紹介映像が主な用途である場合です。この使い方では、画素数、記録形式、カードスロット、HDMI端子といった主要な仕様が共通しているため、世代の差を感じる場面は限られます。前の世代のモデルは、時期によっては新品・中古ともに選びやすい価格になることがあるため、浮いた予算をレンズやマイク、照明に回すという考え方も十分に成り立ちます。ただし、中古品を選ぶ場合は、保証の有無やシャッター回数、センサーの状態を必ず確認してください。

α7 Vを選ぶべきと考えられるケース:4K 60pで広角を活かしたい、4Kのスローモーションを使いたい、カメラを大きく振るイベントやスポーツを撮る、1人で長時間の撮影をこなす、といった用途がある場合です。とくに4K 60pの画角と4K 120pへの対応は、α7 IVでは機材の工夫だけでは埋めにくい差のため、こうした撮影を予定しているなら、α7 Vを選ぶ理由ははっきりしています。

迷った場合は、「これから1年で撮る予定の映像に、4K 60p以上が含まれるかどうか」を基準に考えるのが、最も分かりやすい判断軸になると思います。

まとめ

α7 IVとα7 Vは、画素数、記録形式、カードスロット、HDMI端子といった基本の部分を共有しています。
違いが表れるのは、4K 60pの画角と4K 120pへの対応、積層型センサーによる読み出しの速さ、被写体認識やモニター、そしてバッテリーの持ちです。
一方で、連写を続けられる枚数のように、α7 IVのほうが余裕のある部分もあります。
4K 30p・24pが中心の制作ならα7 IVでも十分に戦え、4K 60p以上や動きの速い撮影が多いならα7 Vを選ぶ。
世代の新しさではなく、自分の撮る映像に何が必要かで選ぶことが、納得のいく判断につながります。

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