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営業数字の見せ方:ROI・効果測定を説得的に伝える方法
9月 25, 2026 ・ 営業サポート
SALES KNOWLEDGE

営業数字の見せ方:ROI・効果測定を説得的に伝える方法

同じ数字でも「見せ方」で伝わり方が変わる

以前の記事(「営業企画書とは?顧客の課題解決を示す構成のポイント」)では、企画書の構成を扱いました。

今回は、その中でも特に説得力を左右する「数字の見せ方」に焦点を当てます。

心理学者エイモス・トヴェルスキー氏と、行動経済学者ダニエル・カーネマン氏は1981年、学術誌『Science』に「フレーミング効果」に関する研究を発表しました。

2人が行った実験(通称「アジア病問題」)では、まったく同じ内容の選択肢を、「助かる人数」として表現した場合(ポジティブフレーム)と、「死亡する人数」として表現した場合(ネガティブフレーム)で、被験者の選択がどう変わるかを調べました。

結果、同じ内容の選択肢でも、表現の仕方によって支持率が72%対22%と、50ポイント以上も変わることが確認されました。

数字そのものが変わらなくても、見せ方次第で相手の受け止め方は大きく変わるということです。

ROIの正しい計算方法

数字の見せ方を工夫する前提として、まずROI(投資対効果)の正しい計算方法を確認しておきます。

ROIは「利益 ÷ 投資額 × 100(%)」という式で求められます。

たとえば100万円の投資で150万円の利益(投資額を差し引いた純粋な利益分)が出た場合、ROIは150%になります。

一般的に、ROIが100%を超えれば投資価値があると判断されやすく、200%を超えると高水準とされています。

効果測定の数字を出す際は、まずこの正しい計算式にもとづいた数字を用意することが土台になります。

フレーミングを味方につけた数字の見せ方

同じ正しい数字でも、伝え方を工夫することで、顧客の受け止め方は変わります。

たとえば「コストを20%削減できます」という言い方と、「今のままだと、コストの20%が毎月無駄になっています」という言い方は、同じ20%という数字でも、後者の方が「今のままではいけない」という危機感を伝えやすくなります。

これは、以前の記事で扱った示唆質問(問題を放置した場合の影響を尋ねる質問)とも相性が良い見せ方です。

また、絶対値(金額そのもの)と相対値(割合)は、状況によって響き方が異なります。

金額が大きい場合は「〇〇円の削減」という絶対値の方がインパクトを持ちやすく、金額が小さくても継続的な効果がある場合は「年間で〇%の改善」という相対値の方が説得力を持つことがあります。

相手の業種や関心に応じて、どちらの見せ方が響くかを使い分けます。

効果測定を伝えるときの注意点

フレーミングは、数字の印象を調整する技術であって、数字そのものを偽る技術ではありません。

都合の良い期間だけを切り取ったり、前提条件を伝えずに割合だけを強調したりすることは、フレーミングの範囲を超えた誇張であり、後々の信頼を損ないます。

効果測定の数字を出す際は、算出の前提(期間、比較対象、条件)もあわせて明記し、顧客が数字の意味を正しく理解できる状態にしておくことが、長期的な信頼につながります。

今日からできること

今使っている効果測定の数字を、ポジティブフレーム(得られること)とネガティブフレーム(失っていること)の両方の言い方で書き出してみてください。

顧客の業種や関心にあわせて、絶対値と相対値のどちらを前面に出すべきか、一度検討してみてください。

数字を提示する際、算出の前提条件も一緒に書き添える習慣をつけてみてください。

まとめ

同じ数字でも、見せ方によって相手の受け止め方は大きく変わることが、フレーミング効果の研究で示されています。

ROIの正しい計算を土台に、ポジティブ・ネガティブの表現や絶対値・相対値を使い分けることで、数字はより説得力を持ちます。

ただし、見せ方の工夫と数字の誇張は別物です。

前提条件を隠さず伝えることが、数字を使った説得における誠実さの土台になります。

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